フレームワーク20選 ⑵
ステップ2:分析する
分析のポイントは3Cとマクロ環境
世の中にはさまざまな分析手法が存在しますが分析の基本は 「自社」 「顧客」「競合」 の3つと
それらを取り巻く 「マクロ環境」 のあわせて4つの視点で、 分析方法を分類しています。
目的に合う分析 手法を見つける際の参考にしてください!!
❺3C分析
4つの視点を理解するために、 まずは「3C」の考え方から見ていきましょう。
3Cとは 経営環境について、 「自社 (Company)」 「顧客 (Customer)」「競合 (Competitor)」 の3つの視点で分析 し、事業成功のポイントを探るフレームワークです。
自社の取りうる戦略の設計 や、事業の方向性の検討など、多様な場面で活用されます。
3Cは視点を3つに分けていますが、 各要素は連動しているので、 まったく独立して考えてはいけません。
自社について分析するためには、 顧客のことを知る必要があります。
競合として誰が存在しているのか、 その競合はどのような動きをしているのかを知らなければ、自社の位置付けを把握できないでしょう。
3Cを連動した全体像としてとらえながら、 各要素について詳細に調査することがポイントになります。
▼3CEについてはこちらの資料で詳しく解説しています▼
マクロ環境
マクロ環境とは、 世の中のトレンドや時代の動きなど、大きな力が働いている要素のことを指します。
具体的には、人口や政治、技術、経済などが挙げられ、 組織に対してどのようなチャンスや問題があるのかを分析する際に必要です。
これまで強みとされてきたことも、 時代の変化の中 で役に立たなくなったり、逆にこれまで注目していなかった要素が、社会の変化の中で重要視されるようになったりします。
多面的に、 そして全体と部分を意識して、分析するようにしましょう!!
2ー(1)市場を分析する
❻SWOT分析
SWOT分析は、自社を取り巻く周辺環境を分析し、強みや弱みを把握するフレームワークです。
「好影響・悪影響」 と 「内部環境外部環境」 の2つの軸で構成されるマトリクスを作成し、「強み (Strengths)」 「弱み (Weaknesses)」 「機会 (Opportunities)」 「脅威 (Threats)」 について分析を行います。
内部環境・・ヒト・モノ・カネといった自社のキャパのほか、 経験値やデータベースなど、 自社の持つ要素を指します。
外部環境・・世の中の動きや業界の動きといった、自社を取り巻く外部の持つ要素です。
内部と外部、 そしてプラス面とマイナス面の両方に目を向けられるところが、このフレームワークの魅力です。
活用方法
【例】大手輸入インテリア店:IKEAのSWOT分析
❼ファイブフォース分析
自社の属する業界の競争構造を把握したり、 参入を検討している業界の競争構造を分析する際に活用します。
「ファイブフォース分析」とは、 「買い手の交渉力」 「売り手の交渉力」 「業界内の競争」 「新規参入者の脅威」「代替品の脅威」の5つの要因を切り口として、業界の競争構造や魅力度を分析する手法です。
これら5つの要因が多かったり、 強かったりする状態であればあるほど、 その業界の競争は激しく、収益化のハードルが高いことを意味します。
なお、ファイブフォース分析を用いることで 「競争性が高い」 という結果が出ても、 それが「参入しない (撤退する)」 という判断に直結するわけではありません。
競争構造を把握し、 その中で競争優位性を発揮できるポジションを構築できるか、 ということまでをセットで考えます。
ポジションの考え方については、 STP次章で紹介するもェックしてみてください。
活用方法
⑴新規参入の脅威
業界に新たな企業が参入すると、競争が激化して収益性が低下します。
設備投資があまり必要でなかったり、 技術の習得難易度が低かったり、
新規参入が簡単な場合、業界の収益性が高まることが仮にあってもすぐに新規の参入がつづき、競争が激しくなることにより収益性が低下します。
⑵売り手の交渉力
売り手とは、 商品・サービスを提供するために必要なパーツや素材などの仕入先です。 仕入先の企業や業界が自社に及ぼす影響を整理します。
⑶業界内の競争
業界内にどのような競合が存在しているか、 また、競合に はどんな工夫や戦略があるかについて情報収集し、整理します。
⑷買い手の交渉
買い手とは、 自社の商品・サービスを購入してくれる企 業や個人などの顧客です。 買い手が独占的な状態にあるか、ニーズが変化していない
か、 他社製品に乗り換えしやすいかなど、 買い手の交渉力(購買欲)が高くなる要素を考えます
⑸代替品の脅威
既存の製品やサービスが、顧客にとって同様のニーズを満たす他の製品やサービスで置き換えられてしまうことを示します。
費用対効果がより高い製品やサービスが登場すると、それにより市場を奪われ、収益性が低下することとなります。
マッチがライターにより、また万年筆がボールペンなどにより置き換えられたのは、代替品の脅威の代表的な事例です。
代替品の脅威を下げるためには、顧客が既存の製品やサービスから他に乗り換える際のコスト「スイッチングコスト」を高めること、デザインや機能・利便性を高めること、価格競争をすることなどの戦略が有効です!!
2ー(2):顧客について分析する
「誰に何を届けるのか」は、ビジネス において基本的な問いです。
このステップでは、「誰に」 についての情報収集や分析の手法について解説します。
一般に 「顧客分析」 と呼ばれるこの作業は
自社の商品・サービスをどのような人が利用してくれているのか、
それぞれの顧客がどのようなプロセスを経て自社の商品・サービスを体験してくれているのか
という、2つの視点を持って分析を行います。
ここでのポイント
自社の顧客は誰か?
1つ目の 「自社の顧客は誰か?」 という視点について、 まずは下記の質問に答えられる か考えてみてください。
●自社にとってのお客様はどのような人ですか?
●お客様は、 どのような悩みを持ってあなたのもとを訪れますか?
●お客様は、 何がキッカケであなた (会社) のことを知り、やってきますか?
このような顧客に関する質問に答えられなければ、 そもそも顧客のイメージが曖昧なわけですから、顧客目線に立つことはできません。 ここでは、顧客について、 定量的・定性的の両側面から分析していきます。
顧客の行動を分析する際は、点ではなく線や面を意識する
まず押さえておきたいポイントは 「顧客は点ではなく線で動いている」 ということです。
顧客が自社の商品・サービスを体験する前後に、何らかの行動があります。 購買が発生するアクションの部分しか見ていないと、顧客の思考や価値観、生活、行動の前後、行動するポイント、ニーズを知ることはできません。
また、顧客が物事の認知から行動に至るまでには、心理段階というものがあります。なんとなく気になった程度の状態と意思決定をしようとしている状況では、感じていることや考えていること、求めていることが変わってきます。
これらが変わるということは、企業側が提供すべき価値も、心理段階ごとに変わってくるということです。
データは大切!!!でもデータだけでは判断できない!
実際に分析作業に入る前に意識しておいてほしいことがあります。
分析するには、データは必須です。ただ、数字だけでは見えないものもたくさんあり、 数字のウラにある情報をいかに拾って実際に顧客の様子を観察したり話を聞いたりする時間や、 実際に自分でサービスを使って感じること、そういった生の情報の収集を忘れないようにしていきましょう。
❽ペルソナ
「ペルソナ」 とは、 商品・サービスの受け手となる代表的な顧客像を言語化したものです。
年齢や性別などの基本的な情報のほか、 どのような生活をしているのか、どのような情報に触れているのか、何を感じ考えているのか、といった情報を収集・整理します。
ペルソナを設定する最目的はアプローチする顧客のことを詳しく知るためです。
かゆいところに手が届くようなアプローチをするには、顧客目線に立ち、状況や心理を理解することが必須です。
▼ペルソナについてはこちらの資料で詳しく解説しています▼
活用方法
具体的に人物が想像できるようになるまで言語化する
想像だけではなく、実際にアンケートや調査を元にして作成する
ペルソナがどんな人生を歩みたいかを考える
❾共感マップ

「共感マップ」 とは、ペルソナが置かれている状況や感情を理解するために用いられる手法の1つです
ターゲットの分析を行う際や、マーケティング施策を設計する際に具体的なイメージを持てるというメリットや、メンバー間でのペルソナに対する認識のズレを小さくできるというメリットがあります。
そもそも共感とは?
共感とは、「同じ感情を感じること」です。
例えば、仕事で悩んでいる友達の話を聞いているときに、「自分も同じような経験をしているからよくわかる」と感じることがあるでしょう。
このように共感とは、ある特定の相手が持っている、嬉しい・楽しい・怒っているなどの感情に対して同じ感情を持つことです。
「人は感情でモノを買う」と言われるように、マーケティングにおいてはユーザーの感情を理解してニーズを見いだすことが重要です。
ユーザーが普段何を考え、どんなものを見ているのか。
共感マップは、このようなユーザー視点で状況や感情を理解し、サービスの設計や改善に活かすためのものです。
活用方法
例:ペルソナを24歳・女性・外資系企業の事務職・TOEIC取得中・将来は海外で仕事をしたいと思っている
このようにマップを作成して顧客との共感ポイントを探したり、理解を深めます!!
2ー(3)競合を分析する
このステップでは、競合について分析 するフレームワークを紹介します。
競合 とは、直接的・間接的を問わず、自社と 同じターゲット向けに価値提供を行う組織のことです。
自社がどのポジションを目指すかを検討するうえで、競合の情報 は必要不可欠です。
ここでも、 まず 「自社にとっての競合は誰か」 と、 「 競合は何をやっているのか」 という、2つの視点で分析していきます。
➓「4P分析」
「4P分析」 では、 「製品 (Product)」 「価格 (Price)」 「流通 (Place)」 「販売促進 (Promotion)」 の 4つの要素から、 マーケティング戦略の分析や設計をします。
自社のマーケティング戦略を設計する際は、誰に何をどのように提供するのかを検討しましょう。
他社を分析する際は、 それぞれの要素をチェックし、 他社の意図や、自社が競争優位性を見いだすことができるポイントを考えます。
4つの要素の中でも特に多様なのがPromotionです。
マーケティングやPR、 ブランド戦略、コミュニティづくりなど、いろいろな手法が研究され、 複合的に活用されています。
自分たちが得意とする方法を見いだすのと同時に、 トレンドを把握しておくことが大切です。
▼4Cについてはこちらの資料で詳しく解説しています▼
まとめ
今回は自社と顧客について分析したい時に使えるフレームワークを紹介しました!
特にペルソナと共感マップはあなたのビジネスを成功させるヒントとなります。
困った時や悩んだ時に是非活用してみて下さい!